NHKの稲葉延雄会長は17日の定例会見で、今月10日に本格始動した「STARTO(スタート) ENTERTAINMENT(エンターテイメント)」に所属するタレントの起用について、「新規の出演依頼を行わない方針に変わりはない」などと述べた。
同局は、旧ジャニーズ事務所(現・SMILE―UP.(スマイルアップ))の性加害問題を巡って、被害者への補償の実行などを見極めることなどを理由に新規起用を見送っているが、タレントがマネジメントを引き継ぐ新会社に移り、本格始動しても、方針に変更はなかった。
稲葉会長はこの日の会見で、被害者への補償や再発防止への取り組みについて「一定の進展があると評価している」としつつ、補償に専念するスマイル社と新会社のスタート社との関係性について、「ちゃんと切れているか確認がもう少し必要」と言及。ファンクラブや知的財産などの移行が完了すれば、新規契約を再開するのかという問いには、「考え方が合理的で、きちんとした再発防止策につながったり、確信が得られたりした段階で、新規の出演を考えていくことになる」などと述べた。
また、稲葉会長は23年ぶりに基本給を底上げするベースアップを実施することを明らかにした。24年10月に管理職を除く業務職約5800人の基本給を月額平均で6500円引き上げることで労使が合意。ベア率では平均1・92%にあたる。定期昇給を含めた賃上げ率は平均3・4%で、月額1万1500円になるという。(宮田裕介、照井琢見)